
宝塚歌劇団月組のレビュー作品『BADDY』の感想です!!
上田久美子先生、ついにやりよった!!!!
『BADDY』あらすじ
舞台は地球首都・TAKARAZUKA-CITY。世界統一され、戦争も犯罪も全ての悪が鎮圧されたピースフルプラネット“地球”に、月から放浪の大悪党バッディが乗り込んでくる。バッディは超クールでエレガントなヘビースモーカー。しかし地球は全大陸禁煙。束縛を嫌うバッディは手下たちを率い、つまらない世の中を面白くするためにあらゆる悪事を働くことにする。彼の最終目標はタカラヅカ・ビッグシアターバンクに眠る惑星予算を盗み出すこと。しかし、万能の女捜査官グッディの追撃が、ついに彼を追いつめる!
なお、この作品は演出家・上田久美子の初のショー作品となります。【参照元】
公演解説 | 月組公演 『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
初日前から「今回の作品は異例である」と言われ続けていた作品。
103年間で初めて女性演出家がレビュー作品を演出されるということで、めちゃくちゃ楽しみにしてました。
肝心の内容のはどうだったのでしょうかっ!
初っ端の開演アナウンスから攻めまくり
開演アナウンスが鳴らないまま始まる舞台。
バッディ以外の人たちが一通り設定の説明をしたあと(笑)S1が終わる頃にようやく開演アナウンスが。
文言は覚えてないですが、とりあえず攻めてました。
「みなさま、本日はようこそ宝塚大劇場へお越しくださいました」
とはかけ離れたアナウンスでした。笑
気になる方はぜひ大劇場へ足を運んでみてください。笑
テーマの扱われ方が現代を象徴している
平和を象徴する地球に、月から悪党たちがやってくるという物語。
扱われているテーマの中でも印象に残るのがタバコとLGBT。
地球上はどこもかしこも禁煙で、タバコを吸う人は排除される世界。
そしてLGBTに関しては、美弥るりかさんがその象徴とされているようですね。
彼女はスイートハートという人物を演じられていますが、 この人物が男なのか女なのかわからない存在として扱われています。
「男、女、どっち?わからない!!」といったセリフもあるぐらい、がっつり描かれています。
正直かなり驚きました!宝塚がここまで攻めてくるとは考えもつかなかった!
でも、宝塚という性別の枠を超えて成り立っている劇団が、このようなテーマを扱うことはとても意味があり、歴史に残る作品になるのは間違いない!!!
もうね、この時点でだいぶ上田久美子先生のファンになってしまいましたよね私。笑
宇宙服を来て登場する珠城りょう
登場が宇宙服なのです。笑
客席からドッと笑いが起こりました…笑
珠城さんは若くしてトップになられたにも関わらず、体当たりで様々なことにチャレンジされていますよね。
どんなことにも前向きに捉えられる彼女のメンタル、一つ一つ自分のものにしていく実力、そしてチャレンジ精神を見せつけられ、もうファンにならざるを得ません!!
バッディとして生きる彼女はまさに大悪党。悪いですよ〜w
グッディの気を引きたいがために最後はものすごい悪いことをしてしまうところもまた珠城さんっぽいですよね。笑
トップが悪役を演じるのは賛否両論あると思いますが、私的には全然アリだと思いました!
男でもなく女でもない、美弥るりかの圧倒的存在感
上でも書いた通り、美弥るりかさん演じるスイートハートは男でも女でもない存在として描かれています。
もうね、彼女はとにかくうますぎますね!!!
もともとかなり中性的で透明感がありつつ、儚さを持ち合わせているみやるりさんですが…
スイートハートはもう彼女のためにあるような役。
声も色っぽいし、全身から女性なのか男性なのかよくわからない妖精のようなフェロモンが出まくってました!
性別を超えてどんな役でも変幻自在にこなす2番手スターがいる月組、最高ですよ!!
オイスターの被り物を着せられ、拉致られる月城かなと
グッディに最後まで振り向いてもらえないけど、最後は自分の信念にしたがってやっぱり世界の平和を望みながら死んでいくポッキー巡査は魅力的な役どころ。
なのですが、今回の公演ではかなり笑いを届けてくださってます。笑
あのロブスターの被り物はやばすぎるだろww
月組を代表するイケメンさんに何させてんねん
でもこれを気にまた演じる役の幅が広げることもできるし、これはこれでいいのか?w
被り物を被っててもイケメンだし、メガネも似合うし、新しい月城さんが観れる素晴らしい公演ということにしておきましょう
「悪いことがしたい♪いい子でいたい♪」の中毒性
このメロディーが頭から離れない
ひたすら歌い続けられるこの歌詞とあのメロディー
最初は何だこの歌詞wって感じだったのに、終わる頃にはもっと聴いていたいという中毒性を持つ歌です。
まあ確かにな、いいことばっかりやったらおもんないっすよ
たまには悪いことしたいって思いますよ、できないけど。笑
そんな風に考えれば考えるほど深いのか深くないのかよくわからない歌です
でもどちらにせよ終わる頃にはノリノリで口ずさめるようになっています
今でも頭から離れないのでなんとかしてください
愛希れいかの力強さとしなやかさは圧巻
お芝居のバレリーナ役でも思いましたが、愛希れいかさんの立ち姿は異常
異常にかっこいい。
娘役なのになぜあんなにも凛としていてオーラがあるのか…
彼女が宝塚に在籍中に生で舞台をみることができて本当に幸せ極まりない
これはもう次回のバウホール主演作、そしてエリザベート、共に絶対に見逃せないですね!!
宇月颯の見せ場が少なかったのが残念
カルーセルロンドで宇月さんの歌を聴いた時、心が震えたのを思い出します。
退団公演なので、もっともっと彼女の歌を聴けると期待していた分少し残念でした…
でもデュエットダンスのカゲソロでは宇月さんの素晴らしい歌声が響き渡っていたのは鳥肌もので感動しました。
でも欲を言えばカゲソロじゃなくて宇月さんの歌う姿がみたかったなー
デュエットダンスからパレードへの流れはもうめちゃくちゃw
あまりにも異例すぎる今回の作品ですが、それを象徴しているのが最後のパレード。
え?wwwと思わず声が出てしまいました。
「こんなことして大丈夫なん?w」とこちらが心配になるような演出…笑
いわゆる宝塚らしさを求めている人は、「さすがにやりすぎだろ」と思ってしまうかも。
私みたいにエンターテインメントが好きな人間にとっては、まあ面白いしこういうのもアリなのか?という感じです。
宝塚のショーであんなにもぶっ飛んだパレードがみられる機会はもうないかもしれませんので、ぜひ直接その目でご覧いただくことをオススメします。笑
賛否両論はあるが、個人的には好きな作品の一つに
『BADDY』は、宝塚に夢を求めている人にとっては納得のいかない作品かもしれません。
現代社会の問題を取り上げたり、宝塚らしくないことをジェンヌさんにさせたり、これまでの宝塚の伝統をある意味ぶち壊してしまっているような内容ですからね
でも月組のみなさんが勇気を出して今回の作品にチャレンジし、上田久美子先生が新しい宝塚の形を見せてくれたという観点から、個人的には面白い作品だったなと感じました。
まさにブレークスルー!!
ああでもない、こうでもないって試行錯誤しながら平成が終わっても愛され続ける宝塚であってほしいな〜と思いました!
なんなんや、このよくわからん締め方は…笑
まとめ
いかがでしたでしょうか!
もうね、よくわからんって人はぜひ劇場に足を運び、ご自分の目で確かめてみてください!←
以上!